十六夜ヶ原 

詞 北澤 博之

暗くただ酔うは 谺の返り 癒える旅に無く 置手紙
乞う川泊まり 刹那に寄るも 背負うは証の猶予いが

刻む秒針 音もたてずに 動いている 右回り
空見上げては 軋む体が重い 無くしている 記憶は何処に

月は雲に隠れ 風は夜を揺らす

思い出せない 昨日の光 埋もれている 闇の中に
手を伸ばしても 二度と取り戻せない 歩いている 場所も知らずに

夢は頭垂れて 時の奥へ消えた

苦楽漂うは木霊の還り 云える度に哭く 掟神
香火は止まり 薛菜に夜も 背追うは緋しの十六夜が

無くなってしまった記憶なんてどうでもいい
いや あったって意味がない
雲から這い出た月が見せたものはとても悲しく残酷な光景だった

そこには一人じゃなく一匹になった私がいた
「戻りたい」という心の中の叫びも言葉にはならない
もう言葉は存在しない
心すら存在しないのかも知れない

そこには何人いる?
そこには何匹いる?
人の心を失った獣がそこには何匹いるんだ

遠く閉ざされた 久遠の原に 落ちて枯れゆく 血は縁
悔み抱えた ケモノの声は 月が見下ろす嘆き声

空 響く 彼方

収録音源

反対側へ突き抜けろ!!

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